リリーフランキーが主演で橋口亮輔監督、それだけで一癖ある映画なのかと想像していたのだが、違った。
これほどまでに違和感なく身体の中にストーリーが染み込んで来てしまうと逃げ場のない感情に押し潰されそうで、今の私にとってはかなり痛くて重たくて困った映画になった。映画の半分以上は訳も分からず泣けてしょうがなかったからだ。
カナオは翔子にとって、原因の一部でもあり、支えでもあり、近くであり、遠くでもあり、、、
解りづらいカナオを理解したくて、ルールを作ったり、確認しても、解らないんだよな、、、、でもその理解不能もカナオは「葬式で泣く人がいい人なの?心の中は誰も解らない」と言葉で説明をするのだ。言葉は必要なようで必要じゃなくて、行動も同じで、とっても肝心な時には必要で、、、、それが本当に理解出来るのは今日の自分じゃなきゃ無理だったろうな。去年の私では今日の10分の1しか感じ取れなかったシーンだと思う。
法廷画家カナオが描く90年代の犯罪者達の画の中に、凶悪犯の「キレイな手」であったり、「乱れた髪」であったり、人間の部分を凝縮して見せられると裁く訳でもなくコメントする訳でもないのだが伝わってくるのだ。「伝える」には凝縮しなくちゃ分かりにくいのだ。
回転の速い時代だし、何事もお手軽に手に入ってしまい、1対1の関係を全く重みも感じないで生きてきた人がかなり増えているんじゃないかと強く感じていた今日この頃。そしてそんな中ガマンの頂点に立っていたこの頃。かなりこの映画に心えぐられて、パンフレットを今パラパラめくるだけでまだまだ、泣けそうです。
最近の私の心の叫び声は「どいつもこいつも!」だったのだが、それぞれの関係性をもう一度怒るだけではなく考え直さなければならないのかもしれません・・・・
とても素晴らしい映画を観れて良かった。
キャスティングは「完璧」です。リリーさん以外にカナオを思い浮かべろと今言われたら全然浮かばない。木村多江さんのジワジワ病んでいく姿がリアルで翔子だったし、そしてハッシュの片岡礼子さんが護国寺のお受験殺人の犯人役で出てましたが!やはり怪人片岡さん!恐ろしくリアルで、もしかしてあの短いシーンの為に痩せたのではないか?と思わせるやつれっぷり!また橋口&片岡での映画も観てみたい!!ダイスキな女優さんです♪
そしてそして映画の中に偶然、本当に偶然ちりばめられていた、沢山のキーワードがなんだか自分の人生にオーバーラップして変な気分だったなぁ〜橋口監督、次回もまた期待します。
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